
せっかく想いを込めて書いた遺言書が、「無効」と判断されてしまうケースは少なくありません。日付の記載漏れや、署名・押印の不備など、ほんの小さなミスでも効力が失われることがあります。
特に自筆証書(手書き)遺言は、手軽な反面、形式不備で無効となる事例が多く見られます。
この記事では、無効になる典型例と確実に有効に残すための対策、そして専門家に相談すべき理由をわかりやすく解説します。
目次
無効になる遺言書とは?
無効と判断されるケースの基本
遺言書が「無効」とされるのは、民法で定められた要件を満たしていない場合です。
たとえ本人が真剣に書いたとしても、形式に不備があると法的効力を持たないのが現実です。代表的なのは、「日付がない」「署名がない」「押印が抜けている」など。
また、パソコンや代筆による作成も無効の対象になります。「内容」だけでなく「形式」も整っていなければ、想いは形として残せません。
有効な遺言書との違い
有効な遺言書の条件は、本人の意思が明確で、形式が正しく整っていることです。
特に公正証書遺言は、公証人が本人確認と内容確認を行うため、「形式不備」や「無効リスク」をほぼゼロに抑えられます。
一方で自筆証書遺言は、費用がかからず手軽ですが、自己責任の部分が大きく、ちょっとした誤りでも効力を失ってしまう点に注意が必要です。
よくある「無効になる遺言書」の実例
形式不備による無効例
最も多いのは、日付の誤記や署名・押印の欠落です。
「令和5年春吉日」といったあいまいな日付は特定できず無効に。また、訂正の方法にも決まりがあり、修正印を押さないと訂正箇所が無効になります。
こうした形式的ミスは、内容が正しくても無効とされるため、慎重に確認が必要です。
内容面でトラブルになる例
「長男に家を」「次女に貯金を」などの書き方では、どの財産か特定できないことがあります。
さらに、作成当時に認知症などで判断能力が低下していた場合、「意思能力がなかった」として無効になることも。
自筆証書遺言はこうしたリスクを自分で管理しなければならず、後に家族が「本当に本人の意思か?」と揉めてしまうケースも少なくありません。
無効を防ぐための基本対策
書き方・形式で注意すべきポイント
自筆証書遺言では、全文・日付・氏名を自筆で記載し、押印を忘れずに。
財産の記載は「どの口座・どの土地か」が特定できるように書きます。
財産目録については書式は自由で、パソコン等で作成してもよいです。例えば、土地について登記事項証明書を財産目録として添付することや、預貯金について通帳の写しを添付することもできます。
ただし、いずれの場合であっても各ページに署名と押印は必要となるので注意してください。
また、訂正や追記などの扱いは非常にデリケートで、「どこをどう直したか」も明記しなければ無効になる可能性があります。
このように、自筆証書遺言は手軽な反面、法的リスクが高い点を理解しておきましょう。
公正証書遺言という選択肢
確実に遺言を残したい方におすすめなのが公正証書遺言です。
公証人が法律に基づいて内容を確認しながら作成するため、「形式不備」や「意思能力の疑義」が原因で無効になる心配がほとんどありません。費用は数万円程度ですが、安心と確実性のための投資と考えると妥当です。
「自筆だと不安」「間違えたくない」という方は、専門家を通じて作成するのが安心です。
トラブルを避けるための確認ステップ
書いた後にチェックしておくこと
一度書いて終わりではなく、定期的な見直しが大切です。
家族構成や財産内容が変わった場合は、内容を最新化する必要があります。
また、遺言内容にあいまいな表現がないか、法改正の影響を受けていないかも確認しましょう。自分では気づきにくい部分もあるため、専門家に見てもらうと安心です。
手書きの遺言は相続手続きの時もひと手間
自筆証書遺言は相続が発生したら必ず遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所にて検認を経なければいけません。
検認のためには、遺言書がない時と同様に亡くなった方の出生から亡くなるまでの連続した戸籍を取得し、相続人を確定させる必要があります。
また家庭裁判所の検認では、遺言書の有効・無効の判断はしてもらえない点も注意が必要です。
公正証書遺言の場合、検認は不要となっております。
いきなり公証役場へ行って遺言を作成するのはハードルが高いという方は、行政書士・司法書士・弁護士などの専門家へ相談することをおすすめします。
公証役場での手続きもサポートしてくれるため、初めての方でも安心です。
「自分で書くのは不安」「確実に家族に伝えたい」という方ほど、専門家に相談することで後悔のない遺言書を残せます。
遺言を「家族に伝わる形」にするために
家族への伝え方と保管方法
遺言書は存在を家族に知らせておくことが大切です。知られないまま保管されていると、発見されず無効同然になってしまうことも。自筆証書遺言の場合は、法務局の「自筆証書遺言保管制度」を利用すると、紛失や改ざんの心配もなく、手続き時の検認も不要になるので安心です。
ただし、保管制度を使っても内容の有効性までは保証されないため、やはり公正証書遺言のほうが確実といえます。
想いを残すためのエンディングノート活用
遺言書には書けない「想い」や「感謝の気持ち」は、エンディングノートに書くとよいでしょう。
法的効力はありませんが、家族へのメッセージとして大きな役割を果たします。
「財産の整理」と「気持ちの整理」、どちらも大切な終活の一歩です。 不安や疑問がある場合は、早めに専門家へ相談し、自分らしい形で“想いを伝える準備”を進めていきましょう。
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想いを確実に残すため、まずは相談を
自筆証書遺言は「自分でできる手軽さ」が魅力ですが、その分、内容の有効性までは誰も保証してくれません。
せっかくの想いを確実に残すためにも、「自分に合った遺言書の形を相談してみる」ことから始めてみませんか?当センターと一緒に作成することで、法律的にも心情的にも安心できる形に整えられます。
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